本ウェブサイトは、医療関係者の方を対象に「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」に関する情報を提供することを目的としています。

製品に関する重要なお知らせ

2023年5月

医療関係者各位

小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

オプジーボ®(ニボルマブ)点滴静注、ヤーボイ®(イピリムマブ)点滴静注液および他の抗悪性腫瘍剤との併用療法における留意点について
(非小細胞肺癌)

時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

4月28日に国立研究開発法人国立がん研究センターおよび日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)より「非小細胞肺がんを対象としたニボルマブ+イピリムマブ併用療法の多施設共同臨床試験(JCOG2007試験)に係る現状と重要な注意事項について」のプレスリリースが発出され、オプジーボとヤーボイについての注意喚起が行われました。

JCOG2007試験(以下、本試験)は、臨床研究法の下にJCOGで実施された医師主導の特定臨床試験であり、企業が実施する臨床試験とは独立して実施された試験です。

小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、今回のJCOGの発表による注意喚起を真摯に受け止めています。昨年、本試験における患者登録が一時中断された後、肺がん専門医師で構成された適正使用委員会において安全性について検討していただきました。その検討結果については、当局にも報告し、2022年7月より情報提供を開始しました。

オプジーボ、ヤーボイおよび化学療法の併用療法(本併用療法)の承認取得から約2年半が経過し、国内市販後の自発報告においては、これまでに約4,000例に使用されていると推定しております。両社で保有している安全性情報のうち、2023年3月31日時点で本併用療法との因果関係が否定できない死亡例の集積は93例でした。
また、企業主導臨床研究であるLIGHT-NING研究(カルテ調査に基づく後方視観察研究)の安全性情報(2022年6月10日時点)では、本併用療法における治療に関連した死亡の発現率は2.8%(6/212例)でした。
なお、開発時点のCA2099LA試験(国際共同臨床試験)の本併用療法投与群における因果関係が否定できないと考えられる治療に関連した死亡の発現率は2.0%(7/358例)でした。

国内市販後に本併用療法によって死亡に至ったとされた副作用は、従来の各薬剤又は併用療法の臨床試験等で報告された副作用と大きく異なるものではなく、2022年7月より情報提供して参りました国内市販後の重篤な副作用の発現状況並びに死亡に至った発現事象と大きな変化はありませんでした。しかし、国内市販後の死亡例の報告状況から、従前の副作用に加え、敗血症やサイトカイン放出症候群等の副作用は、多臓器機能不全症候群に繋がるおそれがあり、本併用療法においては、特にこれらの副作用の発現を念頭にオプジーボとヤーボイの投与をお願い申し上げます。
また、オプジーボとヤーボイの投与中および投与後は、患者さんの状態に十分注意し、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮して適切な鑑別診断を行い、オプジーボとヤーボイの休薬等の適切なご対応をお願い申し上げます。

今後とも、最新の添付文書、適正使用ガイド、最適使用推進ガイドライン、各種注意喚起等の情報をご参照いただき、オプジーボとヤーボイの適正なご使用を賜りますよう、よろしくお願いいたします。また、本併用療法によるものと疑われる副作用をご経験の際には、速やかに医薬情報担当者までご連絡くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

なお、国立研究開発法人国立がん研究センターのWebサイトに、医師主導臨床試験であるJCOG2007試験に係る現状と重要な注意事項が掲載されておりますので、こちらも併せてご参照をお願い申し上げます。
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0428/index.html

JCOG2007試験について

JCOG2007試験は、ドライバー遺伝子陰性・不明の未治療進行非小細胞肺癌に対するプラチナ製剤併用化学療法+ペムブロリズマブとプラチナ製剤併用化学療法+ニボルマブ+イピリムマブのランダム化比較第III相試験です。

LIGHT-NING研究について

未治療進行または再発非小細胞肺がんを対象としたニボルマブ+イピリムマブ+化学療法の日本における治療実態および有効性と安全性に関する多施設後方視の企業主導型臨床研究です(500症例の集積を目標としたカルテ情報を用いた観察研究)。(UMIN000044375)
参考:https://center6.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000050571

CA2099LA試験について

CA2099LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者を対象に、ニボルマブ360 mg(3週間間隔)、イピリムマブ1 mg/kg(6週間間隔)にプラチナ製剤を含む2剤化学療法(3週間間隔で2サイクル)を追加した併用療法を、プラチナ製剤を含む2剤化学療法と比較した多施設国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。併用療法群の患者は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、最長24カ月間投与されました。対照群の患者は、病勢進行または毒性が認められるまで、最大4サイクルの化学療法および(適格であれば)ペメトレキセドによる維持療法を任意で施行しました。本試験の主要評価項目は、Intent-to-treat(ITT)集団でのOSです。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)およびバイオマーカーに基づく有効性判定です。

以上